先進エネルギー論
分子動力学計算の基礎
ガイダンス
本講義では、分子シミュレーション、とくに分子動力学法を中心とした理論と 応用について学ぶ。分子シミュレーションがどのように発展してきたかという 歴史的背景をたどりながら、古典力学に基づく運動方程式やポテンシャル関数 の考え方、統計力学との関係など、基礎となる物理化学的概念と計算手法を体 系的に解説する。さらに、材料を主な対象として、実際にPC上で分子動力学シ ミュレーションを実行し、モデル設定から計算実行、結果の出力までの一連の 流れを演習形式で体験する。学生は各自PCを持参し、シミュレーションプログ ラムの基本的な使い方に加えて、Pythonによる科学計算の基礎(数値計算、デー タ処理、可視化など)も身につける。Pythonを用いてシミュレーション結果を 解析し、構造情報、エネルギー、拡散係数や自己相関関数といった動的性質な どを定量的に評価することで、計算データからどのように物理化学的な情報を 引き出し、解釈するかを学ぶことを通じて、分子シミュレーションを材料科学・ 物理化学の研究に活用できる基礎的な素養を養うことを目的とする。
MDの実行
lammpsとVMDのセットアップ
- Windows
lammpsはUSのSandia National Laboratoryで無料で配布されている汎用分子 動力学計算プログラムです。Lammpsの実行ファイルを入手してをコマンドラ インから計算方法を記述したインプッファイルを指定することで、MD計算を 行うことができます。MD計算のための環境を整えるのがやや面倒なので、簡 単に実行できるよう実行環境を大窪が作成しています。以下の手順に従って 計算環境を作ります。
- lammpsのwindows用バイナリファイル(lammps_win32.zip)をダウンロードして展開する。
展開したlammpsを「C:」に移動する。
windowsのスタートメニューを開いて「command」を検索しコマンドプロンプトを実行します。
以後全てコマンドプロンプト上でコマンドラインにて作業を行います。 最低限、次のコマンドを覚えておけば大丈夫です。(矢印の↑でコマンドの履歴を呼び出せます)
cd folder_name folder_nameに移動 cd .. 1つ上のフォルダに移動 dir folderに存在するファイル一覧を表示 (macの人はdirの代わりにls) Ctrl-c Ctrl-cで実行中のプログラムを強制終了
cdコマンドを使って「C:¥lammps」まで移動します。移動したら次のコマ ンドを入力してlammpsが正しく実行されるか確認します。
lammps -in sample.in
コマンドを入力した後に、次のように画面にずらずらと出力結果が表示さ れたら、コマンドは正しく実行されています。
細かい数字は上の出力結果と異なっていても問題ないです。
- Mac OSX
- macの人はlammps_osx.tgzをダウンロードしてデスクトップに配置します。ターミナルを開いてDesktopに移動してからtarで展開してください。
# cd Desktop # tar xvzf lamps_osx.tgz
- 後はターミナルで操作できます。lammpsを展開したディレクトリに移動して以下のコマンドを実行しwindowsと同じような出力が得られた正しく実行されています。実行ファイルのパスを示す「./」を忘れないようしてください。
cd lammps (lammpsフォルダに移動) ./lammps -in sammple -in (lammpsの実行)
- Linux
少なくとも最新のDebianでは、lammpsがpackage化されていて、aptで簡単に インストールできます。
sudo apt install lammps
これで、並列計算環境のopenmpiを含む一式がインストールされます。
VMDのインストール
lammpsから得られた計算結果を可視化するプログラムです。無料配布していますので、自分のOSに合ったファイルを各自ダウンロードして展開してください。展開して生成されるフォルダの中に入っているvmd.exeが実行ファイルです。VMDの配置場所はどこでも良いですが、日本語のパスが入らないところに配置してください。
- windows用: vmd_win32.zip
- mac osx用(10.14以前): vmd_osx.zip
- mac osx用(10.15以降): vmd_osx10.15.zip
Pythonによるデータ解析
液体Arの解析
- 動径分布関数の計算
- 自己拡散係数の計算
- 構造因子の計算