研究室を希望する方へ

私たちの身の回りでは、スマートフォンや電気自動車、再生可能エネルギーなど、新しい技術を支える高性能な材料が次々と生まれています。本研究室では、そのような未来の材料を、シミュレーション・スーパーコンピュータ・最先端分析技術を組み合わせて研究しています。実験だけでは見えない原子の動きをシミュレーションで再現し、AIのようなデータ科学も活用しながら新しい材料を設計することが、本研究室の大きな特徴です。

私たちが解き明かしたいのは、次のような問いです。

  • 「なぜこの材料は優れた性能を示すのか?」
  • 「原子はどのように動き、材料の性質を決めているのか?」

現在は、全固体電池、CO2固定化材料、放射性廃棄物処分材料など、環境・エネルギー問題に関係する材料の研究に取り組んでいます。材料化学が好きな人、AIやプログラミングに興味がある人、シミュレーションを使った研究に挑戦してみたい人、環境・エネルギー問題解決に貢献したい人、社会で役立つ技術や研究力を身につけたい人を歓迎します。

全固体電池材料

全固体電池は、電気自動車や再生可能エネルギーの普及を支える次世代の電池として世界中で研究が進められています。本研究室では、リチウムイオンが固体の中をどのように移動するのかをコンピュータシミュレーションで解析し、新しい固体電解質材料の開発につながる研究を行っています。実験とシミュレーションを組み合わせることで、「なぜ高性能なのか」を原子レベルから理解し、より安全で高性能な電池材料の開発を目指しています。

CO2固定化材料

地球温暖化の原因となるCO2を、安全かつ長期間固定する技術は、カーボンニュートラル社会の実現に向けた重要な課題です。本研究室では、炭酸カルシウムとしてCO2が固定化される仕組みを実験とシミュレーションの両方から解析しています。本研究の成果は、CO2の動態予測やCO2の資源利用等、カーボンニュートラル社会を支える基盤技術です。

放射性廃棄物処分材料

高レベル放射性廃棄物を安全に処分するためには、数万年以上にわたって材料が地下でどのように変化するかを理解する必要があります。本研究室では、ガラス材料やその表面反応を原子レベルで解析し、安全な処分システムの構築に貢献する研究を行っています。スーパーコンピュータを利用し、実験だけでは観測できない長期的な現象の解明にも取り組んでいます。

シミュレーションに・データ科学よる材料設計

AIに代表されるデータ科学は、従来の化学実験による材料開発の進め方を大きく変えつつあります。本研究室では、第一原理計算や分子動力学シミュレーション、実験データとデータ科学を組み合わせ、新しい材料解析手法や材料設計技術の開発を行っています。実験データとシミュレーションを融合することで、材料開発をより効率的に進めることができるよう研究を進めています。

 

レクリエーション

歓送迎会やスポーツ観戦、研究室旅行等、学生が企画したイベントがゲリラ的に開催されます。研究に取り組むときは真剣に、遊ぶ時はしっかり楽しみ、メリハリのある研究室生活を大切にしています。

この研究室で身につくこと

卒業研究では、一人ひとりが研究テーマを持ち、実験・シミュレーション・データ解析を組み合わせながら研究を進めます。研究を通して、社会に出てからも役立つ技術を実践的に身につけることができます。

  • Python等を用いた科学技術計算やプログラミング
  • スーパーコンピュータを利用した大規模シミュレーション
  • データ科学を活用した材料設計
  • 固相や液相法による無機材料の合成
  • NMR・X線・ラマン分光などの分析技術
  • プレゼンテーション・論文作成

プログラミングやシミュレーションの経験は必要ありません。先輩たちも未経験からスタートしています。卒業研究を進める中で、一つ一つ学びながら着実に力を身につけていきます。また、研究を通して専門知識だけでなく、自分で考え、課題を見つけ解決する力、データを論理的に分析する力、プロジェクト内で協力して研究を進める力、自分の考えを分かりやすく伝える力も身につけることができます。これらの経験は、大学院への進学はもちろん、化学・材料・半導体・エネルギー・ITなど、幅広い分野での研究や技術開発に携わる際にも大きな力となります。

社会連携

ほとんどの研究は、出光興産、AGC、日本原子力研究開発機構、太平洋セメントなど企業や国の研究機関と共同研究として進めています。研究成果は、全固体電池、カーボンニュートラル、放射性廃棄物処分、新しい材料開発など、社会が抱えるさまざまな課題の解決につながっています。大学の研究が実際の社会や産業とどのようにつながっているのかを実感しながら研究を進められることも、本研究室の特徴の一つです。